看護師の賃金は勤務先の規模でどれだけ違うか【令和7年 賃金構造基本統計調査】
「大きな病院のほうが給料がいい」とよく言われます。実際にどのくらい違うのか、厚生労働省の賃金構造基本統計調査から、看護師の賃金を勤務先の規模別に取り出しました。最新の令和7年分に、前年(令和6年)の数字も添えています。
結論:年収換算で約100万円の差(2年続けて)
| 比較 | 令和7年 | 令和6年 |
|---|---|---|
| 月額(きまって支給する現金給与額) | 47.3千円 | 58.6千円 |
| 年間賞与 | 432.9千円 | 348.8千円 |
| 単純な年収換算 | 約1000.5千円 | 約1052.0千円 |
1,000人以上の規模と10〜99人の規模を比べた差です。月額の差は縮みましたが賞与の差が広がり、年収換算では2年とも約100万円でした。
表1:看護師の賃金(企業規模別・男女計)
| 企業規模 | 賃金(月) | 年間賞与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 計(10人以上) | 365.9千円 | 856.4千円 | 42.1歳 | 9.8年 | 903,060人 |
| 1,000人以上 | 386.8千円 | 1057.1千円 | 37.6歳 | 9.8年 | 341,690人 |
| 100〜999人 | 357.7千円 | 770.4千円 | 44.3歳 | 10.3年 | 422,520人 |
| 10〜99人 | 339.5千円 | 624.2千円 | 46.3歳 | 8.1年 | 138,850人 |
注目したいのは平均年齢です。1,000人以上は37.6歳、10〜99人は46.3歳。大規模のほうが8.7歳若いのに、賃金は高いという関係は前年と同じです。
通常、年齢が上がれば賃金も上がります。それなのに若い集団のほうが高いということは、年齢構成を揃えて比べれば、規模による差はこの表の数字よりさらに大きい可能性があります。
表2:男女別の賃金(企業規模別)
| 企業規模 | 男女計 | 男 | 女 |
|---|---|---|---|
| 計(10人以上) | 365.9千円 | 385.6千円 | 363.3千円 |
| 1,000人以上 | 386.8千円 | 405.4千円 | 384.2千円 |
| 100〜999人 | 357.7千円 | 374.2千円 | 355.2千円 |
| 10〜99人 | 339.5千円 | 363.7千円 | 338千円 |
表3:准看護師は年によって結果が変わる
同じ調査から准看護師を取り出した令和7年の数字です。
| 企業規模 | 賃金(月) | 年間賞与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 計(10人以上) | 303.2千円 | 636.8千円 | 51.8歳 | 13.6年 | 122,920人 |
| 1,000人以上 | 334.3千円 | 562.5千円 | 54.9歳 | 17.6年 | 10,820人 |
| 100〜999人 | 305千円 | 653.3千円 | 51.1歳 | 14年 | 69,690人 |
| 10〜99人 | 292.4千円 | 628.5千円 | 52.3歳 | 12.1年 | 42,410人 |
1,000人以上と10〜99人の差は月41.9千円。前年版では「准看護師は規模の差がほとんど無い(令和6年は8.8千円)」と書きましたが、令和7年は看護師に近い差が出ました。
准看護師の1,000人以上は推計10,820人と少なく、令和7年は平均54.9歳・勤続17.6年という長く勤めた層に偏っています。准看護師の規模差は年ごとに振れが大きく、傾向として言い切れる段階ではありません。 年間賞与だけは2年とも100〜999人が最も高くなっています。
一方、看護師の規模差は2年とも月4〜6万円・年収換算で約100万円と安定しています。大規模施設ほど夜勤体制・急性期対応が手厚く、手当がつきやすいことは影響していそうです(これは推測で、数字で確かめられたものではありません)。
この数字を読むときの注意
- 「企業規模」は病床数ではありません。 その企業が雇用している労働者数です。大規模な医療法人グループは1,000人以上に入りますが、病院の大きさとは一致しません。
- 月額には夜勤手当・残業代が含まれます。 大規模施設のほうが夜勤回数が多い可能性があり、その分が差に含まれています。手取りの時間あたり効率が高いとは限りません。
- 税・社会保険料を引く前の金額です。
- 年収換算は「月額×12+年間賞与」の単純計算です。
- 労働者数は推計値(公表値は十人単位)です。
- 数値は公表値そのままで、当サイトが加工したのは差の算出のみです。
数字を見たあとに
都道府県別の看護師の賃金は都道府県別 看護師の賃金に、資格による差は看護師・准看護師・看護助手の賃金比較にまとめています。地域・資格・勤務先の規模という3つの軸が揃うと、自分の給与水準がどこに位置するかが立体的に見えます。
給与の内訳の考え方は看護師の給与を参考にしてください。
出典・引用について
- 出典:厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」(一般労働者・企業規模別)。前年は同表の令和6年分
- この表は、出典を明記していただければ引用自由です。 引用の際は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」と、このページのURLを併記してください。
- 当サイトが加工したのは規模間の差と年収換算のみで、各数値は公表値そのままです。
よくある質問
「企業規模」は病院の規模と同じですか?
同じではありません。統計上の企業規模は「その企業が雇用している労働者数」で、病床数ではありません。ただし大規模な医療法人ほど1,000人以上に入りやすいため、大きな病院グループか、小規模なクリニックかの目安にはなります。
年収でどのくらい違いますか?
1,000人以上と10〜99人では、月額で4万7,300円、年間賞与で43万2,900円の差があります。単純に年収換算すると約100万円です(前年の令和6年は約105万円)。ただし残業時間や勤務形態の違いも含んだ数字です。
准看護師も同じ傾向ですか?
年によって違います。令和6年は1,000人以上と10〜99人の差が月8,800円とほとんど無かったのに対し、令和7年は4万1,900円の差が出ました。准看護師の1,000人以上は推計1万人程度と少なく、年ごとの振れが大きいため、看護師ほど確かな傾向とは言えません。
自分のブログや資料に引用してもいい?
はい。出典として厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」と、このページのURLを明記してください。表の一部を切り出して使う場合も同様です。
