看護師の副業・ダブルワーク|就業規則の確認と安全な始め方
「もう少し収入を増やしたいけど、看護師って副業していいの?」——そんな疑問を持つ方は少なくありません。
結論から言うと、民間の医療機関で働く看護師には法律上の副業禁止規定はありません。ただし勤務先の就業規則によって制限されていることがあるため、始める前にいくつか確認しておくべきポイントがあります。
この記事では、看護師が副業を始める前に確認したい就業規則のチェックポイントと、代表的な副業の選択肢を「特徴・向いている人・注意点」とあわせて紹介します。自分に合った始め方を見つけるための参考にしてください。
まず確認:就業規則の副業・兼業に関する規定
副業の選択肢を探す前に、現在の勤務先の就業規則を確認しましょう。チェックすべきポイントは3つです。
- 副業・兼業の可否:「副業禁止」「許可制」「届出制」のどれに当たるか。近年は厚生労働省のモデル就業規則改定(2018年)を受けて、届出制や許可制に移行する医療機関も増えているとされています。
- 届出・許可の手続き:許可制の場合、所定の申請書を提出するだけで済むのか、上長面談が必要なのかなど、手続きの具体的な内容を確認しておくとスムーズです。
- 競業避止や情報管理の条項:同業の医療機関での勤務を制限する条項がある場合があります。副業先の業種が該当しないか確認しましょう。
公立・国立病院など公務員扱いの看護師は、地方公務員法(第38条)や国家公務員法(第103・104条)により副業が原則制限されています。例外的に許可されるケースもありますが、必ず事前に人事部門へ確認してください。
選択肢①:単発派遣・応援ナース
看護師の副業として人気が高いのが、単発・スポット派遣です。1日単位で希望日に勤務できるため、常勤の休日を利用しやすいのが特徴です。
向いている人:
- 臨床のスキルをそのまま活かしたい方
- 休日が固定されている方(日勤のみ勤務など)
- 短期間で効率よく収入を得たい方
注意点:
- 2020年の労働者派遣法改正により、看護師の日雇い派遣(31日未満)は原則禁止ですが、「60歳以上」「年収500万円以上の世帯の主たる生計者でない者」などの例外要件に該当する場合は可能です(厚生労働省通達に基づく)。自分が例外要件に当てはまるか確認してから登録しましょう。
- 本業と合わせた労働時間が長くなりすぎないよう、月の総労働時間を自分で管理することが大切です。疲労の蓄積は医療事故のリスクにもつながります。
選択肢②:訪問看護のパート勤務
訪問看護ステーションでのパート勤務も、副業の選択肢としてよく挙がります。週1〜2回から勤務可能なステーションもあり、病棟勤務とは異なる経験を積めるのが魅力です。
向いている人:
- 在宅医療に興味がある方
- 1対1のケアにやりがいを感じる方
- 将来的に訪問看護への転職も視野に入れている方
注意点:
- 訪問看護は基本的に1人で利用者宅を訪問するため、判断力や対応力が求められます。新卒や臨床経験が少ない段階では、まず病棟経験を積んでからの方が安心です。
- オンコール対応が求められるかどうかは事前に確認しましょう。副業として始める場合、オンコールなしのポジションを選ぶのが現実的です。
選択肢③:検診・健診バイト
企業健診や自治体の集団検診は、決まった日程・時間で完結するため、スケジュールが立てやすい副業です。
向いている人:
- 採血スキルに自信がある方
- 単発で完結する仕事を好む方
- 平日休みが取れる方(企業健診は平日開催が多い)
注意点:
- 採血が主な業務のため、採血スキルに不安がある場合はプレッシャーを感じることがあります。
- 繁忙期(4〜6月・9〜11月)に集中する傾向があり、通年で安定した収入にはなりにくい面があります。
選択肢④:医療ライター・記事監修
看護師の知識を活かして、医療系Webメディアの記事執筆や専門家監修を行う副業です。在宅で完結するため、体力的な負担が少ないのが特徴です。
向いている人:
- 文章を書くことが好きな方
- 自分のペースで取り組みたい方
- 将来的にフリーランスや在宅ワークも視野に入れたい方
注意点:
- 最初は単価が低いことが多く、まとまった収入になるまでには時間がかかる傾向があります。クラウドソーシングサービスなどで実績を積みながら、少しずつ単価を上げていくのが一般的な流れです。
- 薬機法・景品表示法に関する知識が求められる場面があります。根拠のない効能の断定や誇大な表現は、法律に抵触するおそれがあるため注意が必要です。
副業を選ぶときの2つの判断軸
選択肢は複数ありますが、自分に合う副業を絞り込むには、次の2つの軸で考えるとシンプルです。
| 判断軸 | 考え方 |
|---|---|
| 本業への影響度 | 夜勤明けの翌日に副業を入れていないか。月の総労働時間は安全な範囲か。疲労でインシデントのリスクが上がらないか。 |
| スキルの方向性 | 臨床スキルをそのまま使いたいのか、それとも新しい分野(ライティング・教育など)を試したいのか。 |
「収入額」だけで決めると、本業に支障が出て結果的にマイナスになるケースもあります。まずは月1〜2回の小さな規模から始めて、本業との両立に無理がないか確認しながら広げていくのが安全です。
副業で得た所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。また、20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあります。収入が増えてきたら、早めに税務署や自治体の窓口に相談しておきましょう。
よくある質問
Q. 副業していることは職場にバレますか?
住民税の通知から気づかれるケースがあるとされています。確定申告時に住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすることで、副業分の住民税が勤務先に通知されにくくなると言われていますが、自治体によって対応が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
Q. 看護師は法律で副業が禁止されていますか?
民間の医療機関に勤務する看護師を対象にした法律上の副業禁止規定はありません。ただし勤務先の就業規則で制限されている場合があるため、規定を確認してから始めましょう。公務員扱いの看護師(国立・公立病院など)は、法律により原則制限されています。
Q. 副業の収入が年間いくらを超えると確定申告が必要ですか?
給与所得以外の副業所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要になるのが原則です(国税庁の案内に基づく)。住民税の申告は20万円以下でも必要な場合があります。
看護師転職サービスの特徴を比較したい方は、看護師転職サイトの比較ページも参考にしてみてください。「副業ではなく転職を検討したい」と思ったときにも役立ちます。
また、今の職場環境を見直すきっかけとして、かんたん職場チェックも試してみてください。
あわせて読みたい
よくある質問
副業していることは職場にバレますか?
住民税の通知から気づかれるケースがあります。確定申告時に住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすると、副業分の住民税が職場に通知されにくくなるとされています。ただし自治体によって対応が異なるため、税務署や自治体の窓口で事前に確認しておくと安心です。
看護師は法律で副業が禁止されていますか?
公務員として働く看護師(国立・公立病院など)は地方公務員法や国家公務員法により原則として副業が制限されています。一方、民間の医療機関に勤務する看護師は法律上の副業禁止規定はありません。ただし就業規則で制限されている場合があるため、勤務先の規定を確認しましょう。
副業の収入が年間いくらを超えると確定申告が必要ですか?
給与所得以外の副業所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になるのが原則です(国税庁の案内に基づく)。ただし住民税の申告は20万円以下でも必要な場合があります。不明な点は税務署に相談することをおすすめします。

